お知らせ
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【冊子掲載】社会貢献応援マガジン ENGAWA|浜松本店

浜松市市民協働センターが発行している社会貢献応援マガジンENGAWA

Vol.29 2024年5月発行に掲載いただきました。

インクルーシブな社会を目指して、当社の取り組みや想いをご紹介いただきました。

 


P.2~3は、当社代表 大高のコメント内容

【 経営もマーケティングも大切なのは「遠州綿紬」を大事にする気持ち 】

昭和41年に初代 大高敏明さんにより操業された大幸株式会社から、3代目 大高旭さんが遠州綿紬の販売に特化した会社として平成18年に独立。
浜北に事務所兼店舗を構え、市内に限らず日本全国、世界各国に遠州綿紬の優しい心地よさを届けています。学生や企業、アーティスト等とのコラボも多く、様々な商品を日々開発中。

▷「ぬくもり工房」設立の経緯を教えてください
それまでの大幸という会社から独立して、遠州綿紬のみを扱う有限会社ぬくもり工房を立ち上げました。私が引き継ぐ前までは、一般の方への販売ではなく、地方問屋に販売する会社でした。今みたいに生地の柄ごとに品番や名称もなく、卸した後どのように使われているのかも分からない。
そこで自分たちで柄に名前をつけて命を吹き込みました。大幸(株)時代にオンラインショップで使っていたぬくもり工房という名前をそのまま引き継いで、販売をスタートさせました。今では日本全国や海外にも展開しています。

▷遠州綿紬と遠州木綿のちがいを教えてください
そもそも遠州木綿って言葉自体はないんです。祖父の代から「遠州綿紬」として名前を統一していて、ただ会社内では統一はしているけれど、卸した後は名前もバラバラだったんですよ。名残で別の名前がついていることもあるかもしれません。なので遠州木綿っていうのは、あくまで最近できた造語で、正式にはこの町では「遠州綿紬」っていうものが昔からあって、私はそれを広げていきたいと思い、この20年頑張ってきました。

▷どんなところにこだわって製作していますか
自分は柄に命を吹き込むって言ったらかっこいいですけど、全ての柄に名前を付けています。一つ一つの柄を大事にしたいなって思ったのでそごはすごく丁寧にしていきたいですね。あとは、観光産業でどう使ってもらうかですね。浜松らしいお土産を考えた時に、「遠州綿紬」の名前が挙がるようになりたいと思っています。そうした上で職人さんたちの仕事を守っていきたいです。

▷福祉施設のワークショップくるみさんとも活動されてるそうですね
復泉会の永井さんと知り合った時に、障がい者施設に依頼される仕事というのは社会的に最後の工程とかを安くやってもらおうみたいなものが多かったと聞いていたんですね。それを小さい会社の経営者だけど協力したい、うちと何かやりましょうとなりました。
そこから話し合いをしながら、お互いが納得できる形で一緒に仕事をしています。
実際にみなさんに制作のお礼を言いに行った時に、「今までは部品の最終検品などの仕事が多かったけど、綿紬は可愛いし綺麗だし、気持ちが温かくなるからこの仕事をやれてよかった。」って言われたんです。それがすごく嬉しくて、良かったと思いました。

▷学生やアーティストとのコラボ活動も活発的に行っていますよね
そうですね。13年程前に、当時、天竜中学校の家庭科の先生が家庭科教材で地元のものを使いたいって言ってくれたんです。その先生がその学校で取り入れてくれて、また、生徒の前で遠州綿紬の話をしました。地の教材を使ってほしいという想いもあり、今では県内の多くの学校が家庭科教材で使ってくれています。自分の授業から遠州綿紬を好きになってくれた生徒さんもいるし、些細な事かもしれないけれどきっかけになった時に、地元の自慢できるものとして覚えてくれるかもしれない。そういうきっかけが、日常にないといけないなと思います。

▷綿紬を買ってくれる人に伝えたいことを教えてください
浜松には織物の歴史があるからこそ、そういう歴史も含めて浜松に良いものが色々あるんだよと伝えたいですね。私が遠州綿紬を立ち上げたんじゃなくて、870年前からの歴史がたまたま自分の代になって、こういうふうに商売させてもらっているというだけなので。職人さんの仕事をもちろん残して、文化がちゃんと伝わることで、初めてこの地域に住んでいる人に、遠州綿紬っていいねって言ってもらえたり、全国とか世界にいいねって言ってもらえるようになるんじゃないかなと思います。それによって、ものづくりが健全に残せるようになったらいいなと思います。

 


P.4~5は、社会福祉法人復泉会 ワークショップくるみ様のコメント

昭和52年に発足した社会福祉法人復泉会。その中の一つの事業所であるワークショップくるみでは様々な製品を利用者さんが製作しています。障害のある人もない人も地域で一緒に生活する社会が当たり前になるようにという思いで経営されています。ぬくもり工房から生地を仕入れて作る利用者さんの製品は、とても丁寧で県内外にもファン多数!

【 くるみの仲間は遠州綿紬という文化の継承者だと思っています 】

▷「ワークショップくるみ」の名前の由来を教えてください
地域に障がいのある人もない人も一緒に生活するという社会が当たり前にあるべきです。「ワークショップ」は、社会に門戸を開き、障がいのある人たちが仕事を覚え、技術を習得すると同時に、賃金を得るというあたりまえのことをやっていこうと日々努めています。そして、障がい者の方々が受ける社会的な『くるしみ(苦しみ)から、し(死)を取ろう』ということで、法人全体の事業所名には「くるみ」という名前が付けられています。

▷綿紬を扱い始めたきっかけを教えてください
ぬくもり工房さんが出来た当初、県の作業所が集まった連合会で遠州綿紬を広めるために協力してもらえないかと声がかかりました。四季折々を表現された生地を使って、この文化を仲間たちと商品を作るというところで担えたらいいなと思いました。くるみの仲間は遠州綿紬という文化の継承者だと思っています。

▷どんなところにこだわって製品を作っていますか
綿紬の生地は一般の企業も福祉事業所の事業者も使用しています。そこで差別化を図るために、暮らしの中で毎日使えるものを選出し、ストレスのないもの、利便性を用いて商品開発をしています。また、得意な直線を活かした商品づくりなど、ものづくりに対してのスキルアップができる環境づくりを行っています。

▷作業のうえで意識していることはありますか
その人の持つ特性がわかったらそれに合わせた作業を用意したり、声掛けをしたり仲間と一緒に相談しながら作業を進めています。ただ、商品の規格もあるので、その規格も利用者さんに知ってもらいたい。そこは指導という形にはなるんですが、ここは絶対に譲ってはいけないと伝えています。お客さんがお金を払って買うものなので、逆に自分たちがそういう物を買いますかという風に少し説明や問いかけをしながら一緒に製造しています。

▷みなさんは遠州綿紬にどう残っていって欲しいですか
ぬくもり工房さんは、今の時代に合わせた生地をポップに若い世代の人たちにも伝えていると思います。なので、時代の背景を取り入れて、今後幅広い世代の方にらき継がれていけるといいなと思います。
織ることはできないけれど、物を作って売るのを福祉事業所・作業所で担い、続けていけるといいなと思います。遠州綿紬を、織り屋さんが存続できるためにも、仲間たちの力が労働力として発揮され、事業の展開をしていきたいと思います。
昔の日本が栄えた織物の文化を今、くるみの仲間たちも交えて伝承していく。文化を残すことで、彼らの手仕事を持って社会に貢献していくことができるのです。手間のかかる文化はどうしても廃れてしまうけれど、それを今の時代に合わせたやり方で伝統織物を残していく一端を担うことができればと思います。

 

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