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会社設立10年のご挨拶

今年の4月で当社は創業10年を迎えます。

2005年頃まで名古屋で飲食業に勤めていた私は父の入院を機に地元に帰り、父の会社に入社しました。

父の会社「大幸(株)」は1966年、戦後のガチャ万時代後期に祖父が創業しました。

※ガチャ万時代とは戦後、衣料品不足により作れば売れた時代。ガチャンと1回織れば1万円儲かった事からこのように呼ばれたようです。

最盛期はここ遠州に2000軒近くあったとされる機屋さんの数十社から反物を仕入れ、全国の問屋や小売店に販売する産元(産地元売り)として、浜松ではトップクラスの販売量だったと聞いています。

毎日トラック数台分の反物を全国に出荷していたようです。

その後は和装需要がなくなり私が入社した2005年、機屋さんの軒数は10~20軒ほどと激減していました。

当時25歳だった私は父の会社で「遠州綿紬(めんつむぎ)」を見たとき、懐かしく・暖かく・新しいといった印象を持ちました。
初めて機屋さんに行き、織っている現場を見た時の高揚感は今も忘れません。

この不思議な魅力を持つ織物を多くの方に伝えたいと思い、半ば勢いで2006年4月に(有)ぬくもり工房を設立しました。

創業時の想いは今も変わりません。

昨年末に1名、先月1名と新しい仲間も増えました。
 
 
 

また浜松市北区にある創業45年ほどの婦人服専門の縫製会社を事業継承する事となり、4月1日より「合同会社 静岡縫製」と社名を変え、当社のグループ会社として再スタートする事になりました。

こちらも不思議なご縁で関わる事になり、14名のスタッフが仲間になります。

繊維業は斜陽産業ではありますが、高いレベルのモノづくり・仕組み・考え方さえ徹底していけば、まだまだこの産地にもチャンスはあると思っています。

周囲の環境を冷静に見ると先が不安になる事も多々あります。

ただこの10年で本当に素晴らしい、たくさんの良い出会いをいただきました。

当社には目標・夢があり、この業界の未来にも希望をもっています。

微力でも今できる事にしっかり取り組み、決して後悔のないよう日々の挑戦を続け、前に進んでいきたいと思います。

少し長いご挨拶となりましたが、今後も「ぬくもり工房」「静岡縫製」を、どうぞよろしくお願い致します。

 代表 大高旭

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